スナックおはるのざれごと

はるママが日々閃いたあれこれをざれごとチックに語ります。

とある春の日のお引越し《一人暮らしのお話》

今週のお題「わたしの部屋」

 

こんにちは。

最近一気に春めいて、既に汗をかきながら通勤しているはるらっしゅです。

 

春は新生活を始める方が多い季節です。

通勤電車でもリクルートスーツを着ている新入社員を多々見かけるようになりました。

そんな彼らを目を細めながら眺めていると、私の新入社員時代を思い出します。

当時、綺麗なコートを羽織って、スターバックスのコーヒーを片手に優雅に出社。

そんな会社員生活に憧れ、そして、実現させました。最初の1年だけ。

 

私は壊滅的に朝が弱いですし、睡眠時間が人より長めです。

学生時代の予定のない休日は、夜10時から夕方の5時までの計19時間眠り続け、親が「いよいよ娘が死んだか」と心配して起こしに来ると、私自身もその時計の指す5時が朝方なのか夕方なのか分からず、ベッドの上でフリーズしている、なんてことがしょっちゅうありました。

 

社会人になったからって、突然体質が変わることはございません。

2年目以降はいつも通りに起きられず、遅刻ギリギリで会社に滑り込む私。

優雅の欠片もないどころか、走り過ぎていつも汗だくです。(走るフォームがオリンピックのピクトグラムのそれ。)

「毎朝遅刻ギリギリで出社しているせいで汗をかいているのだろう」と言われればそれまでなのですが、このご時世なので、あまりに汗をかいているとコロナじゃないかと疑いの目で見られがちです。

特に電車の中での疑いの目が凄い。

違います皆さん、私は具合が悪いんじゃなくて、汗っかきなのです。

幼稚園時代はお昼寝中に汗をかきすぎて、おねしょをしたのかと先生に疑われる。

学生時代は教室で一人汗をかき、具合が悪いのかと先生に疑われる。

社会人の今では、汗脇パッドをバッグに常備。

4月の段階でこれでは、今年の夏はどうなるのか不安しかありません。

 

さて、こんな調子なので少しでも長く睡眠時間を確保するべく、私は入社4年目の春、会社の近くに引っ越して一人暮らしを始めました。

今回のテーマは【わたしの部屋】。

当時の記憶を振り返るとともに、一人暮らしをしてみて学んだことをざれ言チックに語ってみたいと思います。

 

 

一人暮らしを始めたきっかけ

忘れもしません。4年前の3月上旬、朝起きた私は突如こう思いました。

「そうだ、一人暮らしをしよう。」

 

私は思い立つとすぐに行動に移ります。

以前にもこんなことがありました。

とある日の朝、目覚めた私は突如こう思いました。「そうだ、車を買おう。」

思い立ったが吉日。

急ぎ身支度を整え「ちょっと出かけてくる~」と家を出て、そのまま100万円の軽自動車を一括購入する私。

夕方家に戻り「私今日車買ってきて、今週末に納車だよ」と平然と言い放ち、親が腰を抜かしたという逸話がございます。

その際、父に「頼むから、そういう大きい買い物は一旦誰かに相談してから決めなさい」と懇々と諭され、母には「この子の将来が不安過ぎる」と泣かれました。

 

当時は「母を泣かせてしまった」と反省しましたが、月日が流れると人は忘れます。

今回もそんな反省はどこえやら、次の瞬間には不動産屋を営む友人に連絡し、次の日に内覧の予約を取りました。(この時点で親への相談を忘れている)

思い立ったが吉日。

次の日、身支度を整え「ちょっと出かけてくる~」と家を出て、その日のうちに物件を決める私。

その夜、足取り軽く賃貸契約書を抱えて家に戻り、ほろ酔いで上機嫌に晩酌している父に「ここに判子押して」と書類を差し出します。

「おー?」父が書類をのぞき込みます。

すると、先ほどまでの幸せそうな顔が一変。「え、賃貸契約書!?」

 

一人暮らしに関する話し合いは今までしたことがありませんでしたが、反対されることは分かっていました。理由は2つ。

まず1つ目は、近所に住む女の子たちは全員実家から通勤していたこと。

私の実家はお坊ちゃまやお嬢様が多く住む住宅地だったため、一人暮らしをさせる親というのは、少し珍しいようでした。

そして2つ目は、母の家も父の家も、結婚するまでは実家で生活するのが当たり前の家庭で育っていたこと。

だから当然のように、私も妹もずっと実家で生活していたのです。

ましてや父は、とにかく私が大好き。

簡単に手放すわけはありませんでした。

 

父「どうして家を出たいんだ」

私「会社の近くに住みたいんだもん。だって通勤時間が片道1時間半ってさすがにやばくない!?新幹線で言うところの仙台-東京間だよ!?」

父「だめだ、一人暮らしなんて危なすぎる。何かあった時助けてやれないだろう。」

私「いや、ゆーて住むところ実家まで車で30分で来れる距離だよ。大丈夫だってば。」

母「・・・(ティッシュで涙を押さえながら、私の渡した賃貸契約書と物件資料を見つめている)」

結局3時間の話し合いの末、「一人暮らしさせてくれなきゃ、毎晩寝室の前で銅鑼を鳴らしてやる」と喚きだす私の頑固さに両親が折れ、半強制的に賃貸契約書に判を押させることに成功。

 

そこからは一気に家具家電を買い集める日々でした。

最初は嫌そうだった両親も、一緒に家具家電を買い求めているうちに、自分の買い物をしている錯覚に陥ったのか、私より乗り気で高級家具を選びだします。

金に糸目を付けずに欲しい物を買い集めたので、家具家電だけで、総額150万円超えの買い物。

今ではちょっと考えられない金銭感覚。

当時の自分を「ばかやろう!一人暮らしのソファーで30万円使う馬鹿がどこにいる」と引きずり回したくなります。(私の家は一人暮らしなのに、L字ソファー完備。)

家電屋さんに行った時など、値札を見ずに買い物している姿を見て、店長が何を勘違したのか「大変失礼しました!ささ、こちらへ」と店舗に設置されているソファーにご案内。

そこからは店員がどんどん品物を持ってくるので、気に入ったものを指をさして買うという、まさにVIP待遇でした。

どこぞの財閥令嬢よ。

 

そして3月の下旬、私は新居に無事入居し、晴れて一人暮らしを始めたのです。

一人暮らしを決めてから入居まで約3週間の出来事でした。

 

一人暮らしをしてみて変わったこと

1,精神的な余裕が生まれた

一人暮らしを始めると、全てを自分一人で解決しなければならなくなりますが、一方で自分の生活リズムが確立されます。

実家で生活していた頃は家族と一緒に住むので、そこには当然家族のルールが存在します。

しかし、一人暮らしにはそれがありません。

家の中では私が法律なのです。

自分が好きな時にお風呂に入っても、誰も文句は言いません。

夜中にご飯を食べたって、大きな音でYouTubeを流したって良いのです。

もう、至福の一言に尽きます。

2,両親との関係が良くなった

一人暮らしを始めるまで、お風呂から上がるとバスタオルが畳まれて置いてあることが当たり前だと思っていました。(恥)

離れてみて、初めてわかる親のありがたみ。

いざ自分で家事をこなすとなると、予想以上に大変です。

仕事が終わって帰ってきてから料理を作るなど、もはや鉄人の域。母は凄い。

普段当たり前だと思っていたことが当たり前じゃなかったと分かって親に感謝できるようになり、私の場合は、家を出てから一気に両親と仲良くなりました。

今や父とは月に一回、定例会と称して外でお酒を飲む仲になり、母とは毎日だらだらとLINEをする仲。もはや年の離れた友達です。

家を出たからこそ、程良い距離感と遠慮が生まれて、良好な関係が築けるようになったのだと思います。

3,お金の管理に強くなった

私は社会人になってから、毎年100万円ずつ貯金すると決めています。

実家に住んでいれば何もせずとも簡単に貯められる額ですが、一人暮らしをしながらの100万円貯金は結構きつい。

暮らしというものは意外とお金がかかるものです。

実家暮らしの際は、頭では分かっていても、実際にどれくらい費用がかかるかまでは分かりません。

私自身、一人暮らしを始めてから初めて家計簿をつけるようになりましたし、100万円を貯金するために、節約意識も芽生えました。

よく結婚前に一人暮らしはしておくべきだと言われますが、これは家事能力をつけることは勿論ですが、同時にこういった金銭感覚を養うという意味も込められているような気がします。

最後に

先日、実家暮らしの友人が「実家暮らしは恋愛で敬遠される」と言っていました。

その時は「そんなことないよ」と返しましたが、内心は「だろうな」と思います。

 

例えば、家族の介護や持病、経済的理由があって実家から離れることが出来ない場合は別です。

しかし、経済的に自立していて親御さんも健在なのに「家事をやってくれて楽」とか「お金を貯めたいから」「家を出る理由がないから」といった理由でいつまでも親に寄生している大人は、正直申し上げて幼いおじさん、幼いおばさんだと思います。

そんな自己中心的な考えの自立できない人が、逆になぜ魅力的に見えると思うのでしょうか。

私自身、一人暮らしを経験してみてメリットはあれど、デメリットは一切ありませんでした。

これを読んでいる方で、もし一人暮らしを検討されている方がいれば、声を大にして言いたい。

環境が許すのであれば、ぜひ一度一人暮らしをしてみてください。世界が一変します。

 

一人暮らしをはじめてから、両親の老化に気づくようになりました。

両親はいつか死ぬ。そう考えると居ても立っても居られなくて、少しでも時間が出来れば実家に帰るようにしているため、今では月に1回のペースで帰省しています。

皮肉な事に、実家にいた頃より両親との会話が増え、そしてその時間を大事にするようになりました。

私が家を出た後、「なんでお姉ちゃんが良くて私はだめなのよ!」と、私の後を追うように、すぐに一人暮らしを始めた妹。

近所の私の独身同級生たちはほとんどが実家に住んでいるそうで、帰るたびに両親から「子どもがみんな家を出てるの、うちだけっぽいんだが。うちの娘たち、自立心が謎に強すぎる。」と寂しそうに言われます。

でも、子どもが全員定職に就き自立して生活出来たのは、両親の出来た教育の賜物。

手前味噌ですが、うちの親は偉大だとつくづく感じる、今日この頃です。

 

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