スナックおはるのざれごと

はるママが日々閃いたあれこれをざれごとチックに語ります。

花火に濡れる《恋愛感情のお話》

こんにちは。

GWに入ってはしゃぎ過ぎた結果、昼夜逆転生活になり、体調が悪いはるらっしゅです。

大学生時代は夜中の3時過ぎまで起きていることなど当たり前でしたが、この歳になると、如何せん体力が続かない。

「GWはゆっくり休めましたか?」という会話が社内で飛び交う中、ひとり連休前よりも疲れている私。(昼間に遊べば良いだけ。)

 

さて、GWになると街の雰囲気もにぎやかで、普段会わない人とたくさん会います。

そんな雰囲気に呑まれて、はるらっしゅも皆と等しく、少しだけ破目を外して遊び惚けておりました。

GWという言い訳で暫く執筆から離れていたせいか全く書けなくなっていて、「これが俗に言うスランプなのか」と動揺が隠せません。

 

よって、今回はリハビリ回です。

【恋愛感情の話】というテーマで、久しぶりに記事を書いてみようと思います。

文章の質が落ちているかもしれませんが、感覚を思い出しながら一生懸命に書きますので、どうぞ酒の肴にでもして、楽しくご覧くださいませ。

 

 

深夜12時の鉄塔

巷では「運命の人は3人いる」なんてよく言うが、私の場合、うち2人は既婚者だった。

その2人は既に誰か分かっているし、ともにその話を抵抗なくするので、互いに認める運命の相手だったに違いない。(残り1人は、絶賛捜索中)

先日の手相占いで「結婚は35歳、その前に結婚してもバツが付くよ。」と断言されたはるらっしゅは、今はフリーを楽しむ時期と割り切り、頑張って毎日を生きております。

 

フリーを楽しむのだから、誰と何を楽しもうが私の勝手。

GWのメインイベントの一つは、その運命の相手の1人だったUくんとの花火大会だった。

その日は2人でお寿司を食べていて、何か楽しい事がしたいと私が言い出した。

その後「夜の海で花火をしよう!」と、まるで大学生の夏休みのような計画を立てた私達は、花火とチャッカマンを買い込み、暗い夜の海に向かって車を走らせた。

 

夜の海はさざ波の音が大きく、そして重たく周囲に響く。

風が強くて火花が散りまくる花火を、私ははしゃぎながら振り回して、彼はそれを目を細めて眺めていた。

今思えば、服に火花が飛んでいたら穴だらけになっていたと思う。

そんな花火を早々にやり切り、暗い砂浜を2人で歩いた。

彼は「気持ちが良い」と風を仰ぎながら、缶ビールを飲んでいた。

私はそれを見て、笑っていた。

 

「大学生の夏休みのようだ」と私は彼に話しかけ、潮風を浴びながら大きく伸びをした。

「俺もはるらっしゅと同じ大学に通っていれば、こんな風に楽しかったのかな」と言ってビールを飲む彼に「そしたら、私と一緒になったの?」と聞きたい衝動を抑えて「きっとそうだったかも」と答えた私は、ここが暗闇で良かったと心から思った。

 

私は聖人じゃない。

私にだって嫌なことがあるし、嫉妬だってする。

私は彼のパートナーの話が嫌いだ。

そして、もしも話が何よりも大嫌いだ。

叶わぬ夢に思いを馳せることほど、心を消費し侘しくなることはないから。

 

彼には幸せになってほしいと思うけど、彼の円満な家庭の話など聞きたくない。

そして、そんなことを考えている私の姿は絶対に見せたくない。

だから静かに深呼吸をして、ゆがんだ醜い顔を綺麗な笑顔に戻す。

私は笑って、わざと彼のパートナーの肩を持つ発言をする。

本当は「こっちにおいで」と言いたい口を塞ぎ、彼が私にもたれ掛かってこないように。

私の歯止めが利かなくならないように。

 

そんな事を考えたせいか、その日の夜、私はいつもより少しだけ素直でわがままになった。

彼を帰したくなくて、深夜だというのに車を走らせ続け、鉄塔のイルミネーションを観に行った。

 

その道中、彼は服から露出する私の鎖骨が綺麗だと言った。

その一言で、私は確信した。

私は彼が好きだが、彼とは一生寝てはならないと。

 

彼はいつも私を頻繁に褒めた。

それが嬉しくて、私も彼を頻繁に褒めた。

きっと私達は互いに対して、ある種の憧憬を抱いている。

でも、一度でも彼に触れたらそれは砂の城のように崩れ去り、そしてこの関係は終わる。

なんとなくいつも、そんな気がしていた。

 

彼の中の私は、どうかずっと綺麗でいてほしい。

人間らしい生臭さや感触など微塵も感じず、まるで無機質な人形のような存在で。

彼と一緒に見たこの鉄塔のイルミネーションのように、触れられないけど、ずっと綺麗で見ていたい、そんな存在でいてほしい。

 

車など全く走っていないのに律儀に点滅する信号に停められ、ため息をつく。

道路工事の明かりをぼんやりと見つめながらそんな事を考え、深夜1時過ぎの環状道路の光が少し滲んで見えた。

 

けだるい背中

背中がけだるいし、身体からいつもと違う甘いにおいがする。

寝ぐせで乱れた髪をかき上げて、彼がテーブルのリモコンの下に隠すように置いた一万円札を後目に、ため息とともにアフターピルを飲み込んだ。

 

長期休暇になると、学生時代の友人達が地元に帰ってくるので、私のGWの半分はいつも同級生との食事会で埋まる。

約10年ぶりに会ったYくんは、相変わらずの人懐っこい笑顔と言葉で私を笑わせてくれた。

言葉尻の癖や、優しい所作やにおい。あれから何年も経つのに何も変わらなくて、それが無性に嬉しくて、童心に帰ったように笑った。

 

きっかけは私。

何の気なしに見ていたSNSで彼を見つけ、懐かしくて連絡した。

それだけだった。

「今度会えたら良いね、連絡して」という社交辞令半分の願いを、彼は律儀に叶えてくれた。

そういうところが、昔から好きだった。

 

私はいつも、人に合わせて酒を飲む。

飲まない人と一緒に食事をする時は、一部例外はあるが、基本的に一滴も酒は飲まない。

一方で酒豪と食事をする時は、自分の飲むペースを落として、相手と同じ量を飲んでいるようにうまく演出する。

彼の場合は後者だった。

多少陽気になるとは言え、飲んでも飲んでも変わらない彼を見て、この後の展開など容易に想像できた。

 

私が憧れていた彼もまた、私と同じ人間だった。

彼はあの頃と何も変わらないのに、それにときめかなくなった私は、一体何が変わったのか。

彼に憧れていた頃の昔の私だったら、きっと喜んだであろうこの状況が、どうしてこんなに虚しいのか。

朝方「寒い」と言って布団に潜り込み、服の中に入ってくる手の感触を感じながら、小さくため息をついてそんな事を考えた。

 

私は最近、セックスが嫌いだ。

嫌いというより、けだるいのだ。

昔は興味があって色々試したが、この歳になると如何せん飽きる。

誰としたって誘い方から果て方まで、全部全部ワンパターン。

そんな事をしている暇があったら、睡眠時間を確保したいし、そんな退屈なセックスしか出来ない自分が心底嫌になる。

だからこそ、私はもう好意のある相手とじゃないと出来ないのかもしれない。

 

先日友人が「旦那は要らないけど、とりあえず子どもがほしい」と話し、それを笑いながら「分かる」と聞いていた私だが、あれは訂正する。

今の私は好きな人が欲しいのであって、仮初の旦那はおろか、子どもすら全く欲しくないのだと思う。

だって、最中私はずっと、アフターピルのストック場所を思い出そうとしていたのだから。

 

コップをシンクに置き、テーブルに近づいて、置かれた一万円札の意味を考える。

何も考えていなかったのか、昨日の飲み代として置いて行ったのか。

あるいは、私がそういう避妊をすることを見越しての薬代だったのか。

少しおいたが過ぎたなと反省しつつ、一万円札をつまみ上げた。

なんだか今のこの状態が少し滑稽で、彼も彼でやらかしたと思っているのだろうと想像するとそれもまたおかしくて、思わず「ふふっ」と笑いが漏れた。

それを静かに財布に閉まって、けだるい背中をほぐすために伸びをする。

けだるいのは背中なのか、それとも心か。

ため息をひとつついて、私はシャワーを浴びに浴室へ向かった。

 

好きになってくれる人を好きになれたら

告白を渋る人の背中を押す時に、いつも言うセリフがある。

「告白されて、嫌な気持ちになったことある?少なからず嬉しいじゃん。だから、迷惑になんてならないし、勇気を出して告白してみなよ。」

すまんが、あれは嘘だ。

私は、私が好きだと思えない人から告白されても心は動かないし、全く嬉しくない。

むしろ、どう断ったら後腐れがないか頭を抱える始末だ。

 

しかし一方で、明らかにタイプでない人でも言い寄られて、とりあえずで付き合ってみたら上手くいき、結婚にまで至ったカップルをいくつも見てきた。

そんな彼らの結婚報告のSNSを見て思う。

自分を好きになってくれる人を自動的に好きになれたら、どんなに楽か。

 

最近、めっきり恋愛が出来なくなった。

以前はあっという間に恋に落ち、あっという間に寝てたのに。

歳を重ねるごとに、どんどんときめかなくなって、人を好きになれなくなった。

 

こんな私でも良いと言ってくれ、付き合おうと提案してくれる人達は、一体私の何を見てそんな事を言うのか。

「私のどこを気に入ったの?」と聞くと、「優しい」「頭が良い」「育ちが良さそう」と取って付けたような言葉を並べて、まるで私が聖人のような口ぶりで内面を褒めてくれる。

でも、私が陰でこんな生活を送って、こんな事を頭の中で考えていると知ったら、果たして彼らはどう思うのだろうか。

 

時々、全部話してしまいたくなる。

男性が女性を好きになる時は一目惚れしかないというのに、何を取って付けたような、下手な口説き方をするのか。

私は優しくもないし、頭も良くないし、育ちも別に良くない。

人並みに遊ぶし、人並みに過ちだって起こす。

あなたの褒めるその私は、あなたの中で出来上がったイメージ像であって、結局私の事など何も見えていないじゃないか。と。

 

全部ばらして、彼らの表情が歪んでいく姿が見てみたい。

そんな衝動を腹に抱えながら、私はいつも願っている。

白馬の王子様じゃなくていいから、私の醜さを見て欲しいと思える、私が愛せるたった一人がいつか現れますように。と。

 

あとがき

執筆はスポーツと同じで、1日さぼると感覚を戻すまで3日はかかることを痛感しました。

書くこと自体がなんだか難しくて、GW前の自分が凄いなと思う、今日この頃です。

少しずつ感覚を取り戻せるように頑張りますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

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