スナックおはるのざれごと

はるママが日々閃いたあれこれをざれごとチックに語ります。

水平線は淡く滲む《転勤のお話》

こんにちは。

街を歩く人々の半袖率が着実に増えている中、一人いつから半袖に切り替えたら良いのか分からず戸惑っているはるらっしゅです。

皆は一体、何を基準に半袖に切り替えているのだろうか。

汗だくになりながら長袖を捲り、首を傾げて行き交う人々を見つめている今日この頃です。

 

さて、私事ではございますが【Trinka×はてなブログ特別お題キャンペーン】で先日応募した2ドルチップに惚れるが優秀賞を受賞しました。

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まさか選んでいただけるとは思わず、腰を抜かしました。

おそらく皆様がスターをたくさん付けてくださったおかげで、審査員の方の目に留まったのだと思います。

皆様、本当にありがとうございました。

引き続きマイペースにこつこつと記事を書いていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

※賞金1万円の面白い使い道を募集します。何か思いついた方は、ぜひコメントをお寄せください。

 

ここからが本題です。

本日のテーマは【転勤】。

最近風向きが変わって、急速に人生が変わり始めていることを実感しています。

人生が変わり始めると、他人からの言動に変化が現れ、自分の心境にも変化が起きます。

今回は私の実体験とともに、人生の岐路とその決断について語ってみたいと思います。

所詮は他人事だもの

本社への転勤辞令が出たと伝えたら、両親は今生の別れのように嘆き悲しんだ。

最終的にはそんな姿を見て「私はなんて親不孝者なんだろうか」と自己嫌悪に陥り、涙を流す私を両親が慰めるという、謎の状況に陥った。

「30歳を超えた時点で、転勤はもうしません。その時は辞めます。」と公言はしていたが、まさか29歳で辞令が下るとは。

夏には他県へ引っ越しということで、今から色々と慌ただしいのだが、私は周りが引くほどの心配症だ。

知らぬ土地でなど、本当に生きていけるのだろうか。

2ヶ月で野垂れ死ぬ気がする。

「死なないように」と引っ越しまでのやる事リストを作ってみたら、箇条書きで作っているはずのやる事項目がWord3枚半を超え、途方に暮れた。

取り急ぎ、転勤先の近場に住んでいる知人達に連絡すると、彼らはこぞって「連れていきたい所がたくさんある!」「住むならうちの近所にしなよ!」「栄転だね!」などとお祝いの言葉をくれたけど、全て所詮は他人事だった。

私がどんなに不安を吐露しても、「はるらっしゅなら大丈夫」としか、皆は言ってくれなかった。

いや、そうとしか言えなかったのかもしれない。

 

それは送り手の問題なのか、それとも受け手の問題なのか。

分からない、それとも分かりたくないのか。

どうして大人になればなるほど、他人事はより他人事になっていくのだろう。

自分のことで精一杯になって、他人に興味がなくなるからなのか。

それとも、大人になって自分に決定権が生まれるが故に、そう感じるのか。

 

所詮は他人事だもの、他人からの慰めに縋る方が間違っている。

他人に何かアドバイスを求めても、そのアドバイスの根底には各々のエゴが含まれているように感じてしまう。

自分の人生には関係がないから、その場限りで適当な事を言っているように聞こえてしまう。

 

でもそれは、私が他人に期待しすぎている裏返しなのかもしれない。

本来であれば、私の事は私で決めて、その決定に私が責任を持たないといけないのに。

私のメンタルは私が保たないといけないのに。

弱くて卑怯な私は、いつもその役割を他人に擦り付け、それをやってもらって当たり前に考えていたのだと思う。

 

人の親切を仇で返すような事を言ってるくせに、不安に支配された私は、今日も誰かに慰められている。

見栄やプライドを綺麗に着飾った、弱くて醜い、ちっぽけな臆病者。

それが私の正体だと痛感し、鏡に映る歪んだ姿を見つめた。

そして奥歯を噛みしめながら、私は私を軽蔑した。

 

水平線は淡く滲む

雲と光が滲む水平線は灰色がかった水色で、そこには透き通るほど透明で淡い世界が広がっていた。

 

転勤の話が出た途端、不安と恐怖で押しつぶされたはるらっしゅ。

現実から逃避したい一心で予約したパラグライダーを経験したその日、私は緩やかな弧を描く水平線を見て、地球が丸いということを生まれて初めて認識した。

 

東京スカイツリーの展望台の高さを超える、地上400メートル上空の世界。

人が存在しない世界。

それは形容しがたい光景で、空気が薄いわけでもないのに、胸が苦しくて涙が出た。

 

初めての事は誰だって、何だって緊張する。

パラグライダーに挑戦したその日、私は緊張して眩暈がしていた。

会場へ向かう道中3回もコンビニに寄って、トイレで手汗を洗い流していた。

落ちたら即死という恐怖に屈し、一緒に予約していた友人に先に飛んでもらう始末だった。

でも、いざ度胸を決めて飛び出してみると、そこには見たことが無い、祝福の世界が広がっていた。

 

大人になると、生活環境はなかなか変わらない。

人は安定を求める生き物だからこそ、自分で一歩を踏み出さないと変わらないのだ。

今回の転勤は、そんな臆病で弱い私を変える好機だと分かっている。

だから私は、怖くて不安で今にも泣き出しそうだけど、震える足で一歩を踏み出すと決めた。

今まで積み上げたものを全て崩して、人生を一から作り直すと決めた。

耐える理由を探しながら、たくさんの答えを抱えながら、悩み抜いて私が決めた。

 

きっと大丈夫。

どうかこの選択が、私にとって好機となりますように。

そんな事を切に願いながら、私は淡く滲んだ水平線に背を向け、私が住む世界に向かって高度を落としたのだった。

 

あとがき

ということで、ただでさえ亀さんペースの更新ですが、生活が落ち着くまで、更に更新頻度が落ちるかもしれません。

わがままは承知ですが、どうか温かく見守っていただければ幸いです。

引き続き【スナックおはるのざれごと】を何卒よろしくお願いいたします。

※パラグライダーの動画はInstagramで公開!

 

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