スナックおはるのざれごと

はるママが日々閃いたあれこれをざれごとチックに語ります。

SUUMOを見て泣く女《お家探しとご縁のお話》

こんにちは。

やっと家探しが落ち着いたはるらっしゅです。

暫く更新を止めてしまい、申し訳ございませんでした。

皆様、変わらずお元気でしたでしょうか?

 

私は毎日不動産屋さんとやり取りをしており、本日は「社宅契約をする上で、新事業所地域区分CDをお伺いしたいのですが」と言われ「CD・・・?」とアホ面を晒しております。

絶対それは個人に聞く内容ではない、会社に聞くやつだ。

やりとりのレベルがハードモード過ぎて、引っ越す頃には宅建が取れているのではないかと思う今日この頃です。

 

さて、本日のテーマは【お家探しとご縁】。

ここ数週間の荒れに荒れた、私の物件探し騒動をざれ言チックに語りたいと思います。

ぜひ最後までお付き合いいただければ幸いです。

 

 

SUUMOを見て泣く女

「SUUMOを見ながら泣くやつとか、生まれてこのかた見たことねーよwww」と言いながらも、その会社の先輩は仕事を30分ほど抜け出して、絶望に打ちひしがれている私をひたすら励ましてくれた。

 

6月下旬から始まった私の社宅探しは、開始3日目で早くも暗礁に乗り上げ、5日目には見事に座礁し、沈没した。

 

「もともと物件の動きが少ない閑散期に異動させようとするから悪いのよ。もう私、このままじゃ皇居の森にテント張って生活することになる。」と、焦って涙を流しながらSUUMOを検索し続ける私に「前代未聞過ぎるだろ、秒で送検されるわ。」とあきれ顔の先輩。

ケータイをいじりながら「なんか昨日書いたヤフコメのいいね数が9000を突破して、地味にバズってるんだけどw」と喜んでいる先輩を後目に、私は盛大にため息をついて自分の瞼を押さえた。

 

時は遡る事、1週間前。

私の勤める会社では、公示が出た日から社宅探しが開始される。

公示が出たその日、会社が委託している複数の不動産仲介が、自分の会社で契約を取ろうと一斉に連絡してきた。

もともと1LDKに住んでいる私なので、広い部屋でないと荷物が入らない。

希望を細かく伝えて物件情報を回収した私は、頭から血が抜けるような悪寒と眩暈に襲われていた。

 

ナニコレ。

 

地方の1LDKと首都圏の1LDKは、名前は同じだが内容は別物らしい。

私は、声を大にして言いたかった。

ベッドスペースが2帖とか、それはもう部屋ではなくて納屋なのよ。

「この間取りならいけます!」「この広さなら荷物が入ります!」などと不動産仲介は言うけれども、入る入らないの問題ではないのよ。

いや、そういう問題でもあるんだが、入る入らないだけの観点で行くと、それは家ではなく倉庫になってしまうのよ。

私、倉庫に住むことになっちゃうから・・。

 

たくさん送られてくる物件情報を、私は冷や汗をかきながら食い入るように見つめ、そして思った。

「自分で探すしかない。」

 

今思えば、当時とても温厚で有名だったE課長も異動する際、送られてきた物件情報を片手に「使えない!」と声を荒げていたのを思い出す。

そうか、そういうことだったのか。

今ならE課長の気持ちがよく分かる。

 

そんなこんなで始まった家探し。

SUUMOとにらめっこして4時間後、10件ほど候補が出た段階で仲介業者に「この物件を紹介してほしい」と、そのURLリストを送った。

 

次の日、回答のメールを見て倒れそうになった。

「全て契約済みで紹介出来ない。」もしくは「選任物件なので、弊社からは紹介が出来ない。」と回答が来たからだった。

そこから地獄は始まった。

家が決まらないのは死活問題だという事で、上司は「今日は仕事をしなくていいから、とにかく家を探せ」と私の仕事を全て代わりにやってくれる始末。

その対応が焦りに拍車をかけ、半乱狂のままSUUMOとにらめっこして同じ作業を繰り返す私。

そして今日である。

 

探せど探せど、全て契約済み。

「不動産サイトはあれか、契約済み物件を載せるサイトなのか!?」と嘆く私を見かねた先輩が「ここは?」と見せてくれた物件が、この状況を打破する鍵となった。

 

その物件は、その日賃貸サイトに掲載されたばかりの物件だった。

すぐにSUUMOで問い合わせたところ、回答はまさかの「契約済みです」。

これにはさすがに、膝から崩れ落ちた。

しかし、不動産屋が「でもここ、キャンセルが入りそうなんです。明日には結果が分かるのですが、2番手でよければ、キャンセル出次第ご連絡します。どうしましょうか?」とのこと。

この際、2番手だろうが何だろうがどうでも良い。

「お願いします」と答えて終話した。

そして、ここからが本当の戦いとなることを、当時の私はまだ知らない。

 

明日に決まると言ったくせに、回答を待ち始めて早3日。

不動産屋も「本当にすみません。(前に契約している人が)ネット回線の問題で入居を迷っているようでして、今業者に問い合わせをしているようなんです」とのこと。

あまりに時間がかかりすぎているため、一体何を問い合わせているのか聞いてみた。

そして、卒倒しそうになった。

 

先に契約した人は、在宅勤務が多いIT関係の技術職の方らしく、家のネットは個別で引かないといけないらしい。

その人は、電柱を介して引くそのネット回線を、電柱よりはるかに高い高層階の部屋で引こうとしていると言うのだ。

「え、それはつまり、その方のために特注サイズの電柱をおったてて、光工事をしようとしているということですか?それができるかを問い合わせようとしているということですか?」

と、私は顔を引きつらせて聞き、不動産屋さんも苦笑する始末。

 

いや、問い合わせ内容がツワモノ過ぎるだろう。

業者もびっくりして「え、電柱ですか?」と聞き返していると思う。

電柱を建てるだけでも大変なのに、特注サイズを作って建てるとか絶対無理だよ。

 

そんなこんなで、白目を剥きながら命を削って待つこと4日目。

周りからも「待てる女が最後は勝つぞ。我慢だ、我慢。」と説かれ続けた。

そしてついに、そのツワモノは物件をキャンセルし、私の過酷な家探しは幕を閉じたのであった。

 

戦慄の引き戻し現象

とは言え、まだその物件が社宅として契約できるとは決まったわけではない。

会社と不動産屋、そして不動産仲介が話し合って契約を結んでる現在、いつ「ダメでした」という報告がくるか分からず、不安で堪らなくて、忙しなくメールを確認する日々。

今日の占いでは「進んでいた計画がとん挫する暗示」と言われ、顔を引きつらせる始末だ。

 

こういう時に限って、要らない連絡が立て続けに来るものである。

 

とある平日の午後3時、仕事がひと段落した私はスマホを見て、背筋が凍った。
3年前に酷い別れ方をした元彼から、突然着信があったからだ。

 

その次の日、朝目覚めてスマホを見た私は、またもや背筋が凍った。
5年以上会っていない知人3名から急にLINEが来ていたからだ。
しかも内容が「元気~?」「久しぶり!」「(よく分からないスタンプ)」と、一様に意図が分からない。

 

そして昨日、別れて5年経つ元彼から、突然の不在着信。(しかも着信は1つだけ。)

 

何かがおかしい、絶対におかしい。

普段はオカルトを信じない私だが、さすがにこれは身の回りで何かが起こっていると確信し、Google先生に尋ねてみた。

 

すると、こんな記事が。

plutrablog.com

 

なるほど、絶対にこれだ。

 

そもそも知人はともかく、元彼たちは何用で連絡をしてきたのか。

別れた直後であれば、荷物の引き渡しなどで連絡を取らざるを得ないだろうけど、数年越しに連絡なんて、逆に連絡してくる度胸が凄い。

「元気にしてる?」とか「最近どう?」など、縁が切れた他人になぜ時間を割いて話さなきゃならないのか分からないし、聞く側も聞くだけ聞いて楽しくなかろう。

まさに不毛の極みである。

 

これは持論だが、切れた縁というものは、切れるべくして切れていると私は思う。

一人あたり維持できる縁というものは有限だから、互いにとって不要となった縁を切り捨てることによって、今の自分に必要な新しい縁が繋がれる余力を確保することができると思っている。

 

一方で、必要な縁は努力せずとも、自ずと繋がり続けると思っている。

例えば今回の引っ越し。

私の転勤が決まったタイミングで、社内で一番仲が良かった同僚の転職が決まった。

しかも勤務先は同じ県で、私が次に勤めるオフィスから徒歩30分圏内。

なんならお家は同じ沿線。

これには思わず、腰を抜かした。

 

だから一度縁が切れた人と再度繋がるのは抵抗があるし、切れている縁をまた繋いでも簡単に切れると思う。

それに縁が切れた人との思い出は良いものもあるけど、悪い思い出で終わっていることも多くある。

だからそういう人と再び繋がることで、昔の嫌な自分に逆戻りしそうで恐ろしくなるのだ。

 

今思えば、この【引き戻し現象】は昔からあった。

誰か新しい人と付き合おうとすると元彼から連絡があったり、何かを買った後で別の商品を見つけたり。

 

人は一日の生活の中で、約35,000回の選択をしているという。

毎日この数を繰り返すのだから、時には選択を間違えることもあるだろうし、甘く楽な選択に身を委ねたくなる時もあると思う。

 

【引き戻し現象】とは、そういった甘く楽な誘いで現状に留まらせようとする、成長を止める嫌なものだと思う。

そして、新しい場所で覚悟を決めてやっていけるか問われている、神様からのテストなのではないかと思う。

だから私は、あえて連絡は絶対に取りたくない。

今まで頑張って成長してきた自分を否定するような行為だと思うから。

 

結局私は、連絡をくれた昔の人たちからのメッセージを全て未読削除して、この不思議な体験に幕を下ろしたのだった。

新しい場所で新しい人と出会って新しい人生を送る、これでいいと思う。

連絡をくれた彼らも、どうか私の事はすっかり忘れて、新しい縁で結ばれた人たちと幸せに生きてほしいと願う、今日この頃です。