スナックおはるのざれごと

はるママが日々閃いたあれこれをざれごとチックに語ります。

頑張ってって言わないで《新生活のお話》

こんにちは。
先月末より都会人になったはるらっしゅです。
約1ヵ月更新を止めてしまいましたが、皆様変わらずお元気でしたでしょうか?
本日から更新を再開しますので、改めましてどうぞよろしくお願いいたします。


さて、最近の私はというと、夏の暑さに慄き、慣れぬ土地にひれ伏しております。
地下鉄の路線図の案内図をじっと見つめ、自分がどこにいるのか分からなくなる日々。
たくさんの人が行き来する道に立ち尽くして、埋まらぬ孤独を見つめる日々。

これが俗に言うホームシックというものなのか。

とはいえ、書き物をする上で孤独は良い材料になる上、そのうちこのホームシックは消えてなくなる。
だからこそ、今感じることも思うことも素直に受け入れて、この刺々しい繊細な気持ちを上手にアウトプットしていきたいと思う今日この頃です。

 

さて、本日のテーマは【新生活】。
引っ越し後に起こった出来事や考えた事等をざれ言チックに語ってみたいと思います。

炭の喰われ熊

「向こうでも頑張れよ、これ餞別。」と先輩がくれた北海道のお土産は【木彫りの熊】もどきの【炭の食われ熊】だった。
化け物級に肥大した鮭に食いつかれた熊の悲痛な顔が何とも言えず、その顔を見つめていると向こうでの生活が不安になって、なんだか無性に泣きたくなった。

 

ばいばい、私の地元。

「二度と引っ越しはしたくない。」と思うくらい、それくらいに全てが大変だった。


体力的・精神的に結構追い詰められていた私。
あまりに引っ越したくなさ過ぎて、引っ越し一週間前から当日まで、睡眠時間平均3時間の生活を送っていた。
よくぞ生き永らえたと自分でも感心するが、思い返すと、昔何かで「人間は三大欲求のうち2つが満たせれば生きていける」と聞いた事があり、私の場合はまさにそれだった。
四六時中お菓子を貪り、イケメンアイドル達をYouTubeで観る日々。
堕落に堕落を重ねた私は、引っ越しセンターの箱に囲まれながら徐々に闇落ちし、儚く散っていったのであった。

 

とはいかない。
文章としてはまとまりが良いが、闇落ちしている場合ではないのだ。

実際かなり忙しかったので、引っ越しまではあっという間だったし、寂しいという感情を持ち合わせる余裕もなかった。

 

やっと寂しいと思えたのは新幹線の中だった。
目まぐるしく変わる風景の中で、色々な事を思い出した。
思い返せば私は、小学生から今まで地元を離れたことが無い。
全部ここで経験して、全部ここに置いていく。
人生の1/3に差し掛かるこのタイミングで、こんな大きな人生の転換期が来るなんて、夢にも思わなかった。

 

「入社当時は、30歳なんて既に子どもを産んで育ててる予定だったんだけどな。」
缶ビールを片手にそんな事を考えて、どんよりと曇った風景を見る。

次帰ってくるときはきっと、都会の饐えた女になっているかも。
それとも、気品溢れる垢抜けた都会ОL?
分からないけどきっと、今の私でないことは確か。
次に帰ってきた時には、こんな気持ちになんてならないのだろう。
こんな憂鬱さも、胸の痛みも感じないのだろう。
ばいばい、私の地元。

 
 
 
 
 
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はじめまして、私のおうち。

バルサンをして火災報知器が鳴るなんて、誰も教えてくれなかった。
そんな怒涛の引っ越し初日は、ひたすらに掃除に明け暮れていた。

玄関に盛り塩をしたり、一休さんの如く凄まじい足音で床拭きをする音に、おそらく隣人と下の階の住民は度肝を抜いたと思う。

 

狭いかなと心配していた新居は、物を置いてみると意外と物が収まって、馴染みある家具たちが余所余所しい新居を中和し、あっという間に我が家になった。

なんだろう、さっきまで地元の家が恋しかったのに、もう新しい家に馴染んでる。
人の適応能力とは、なかなかに凄いものである。

 

全ての片づけが終わった静かな部屋の中で、缶ビールを片手に周りを見渡す。
そして、クローゼットに付いた細い傷跡や、シンクの細かい傷。
そういう、私とは違う誰かがここで生きていた痕跡を指でなぞり、眺めながら思う。

見知らぬ土地と見知らぬ人の中、私もこの部屋に生きた痕跡を付けながら、新しい人生を生きる。
この不安な気持ちも、心細い気持ちも、きっといつか良い思い出となって、笑い話になるのだろう。
だから、それまで踏ん張ろう。

 

誰もいない静かな部屋で、ぽつりとひとりごちた。
はじめまして、私のおうち。

 
 
 
 
 
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頑張ってって言わないで

他人からの「頑張って」という言葉が、私は世界で一番嫌いだ。
皮肉と嫉妬といじわるが混在する、人の醜さが如実に表れた言葉だと思う。

 

育ちの良い人に囲まれて育ってきた人には理解できないかもしれないが、世の中には勉強やスポーツ、趣味や仕事など、何かに必死に打ち込んでいる人を見ると、嫌悪を抱く人が一定数存在する。

なぜなら、他者の頑張りというものは、時に人の劣等感を強烈に刺激するからだ。

人は大人になるにつれて、日々の生活に追われて、何かに夢中になる機会が減っていく。

そんな自分が廃れていくような、後ろ向きに生きているような、でも居心地の良い、そんなぬるま湯な人生に不安を抱きながらも「これでいい」と自分に言い聞かせて生きている人。

または、受験や就職などの人生を左右する局面から目を背けてきた人。

各々に事情があるから一概には言えないけど、世の中には、そういう残念な人が一定数存在する。

そんな人たちにとっての一番の脅威が、努力している人だ。

自然と目標を持ち努力できる人の存在は、惰性的な自分を肯定して生きていく上で、最も邪魔になる。
なぜなら、劣等感やマウンティング本能を強烈に刺激してくるから。
自分がダメだと客観的視点で評価できてしまうから。

 

そんな彼らの負け惜しみの言葉が「頑張って」。
「頑張って」は、「別に知らないけど(失敗すればいい)」が後ろに含まれている、人を突き放す冷たい言葉だと思う。

少なくとも、私が今までかけられた、他人からの「頑張って」には、いつも嫉妬が混ざっていた。

本当に想ってくれている人は、頑張っている人に対して「頑張って」など、口が裂けても言えない。

本当に頑張っている人に対してそんな事を言ったら、相手を追い詰めると分かるから。

だから、
「無理をしないで」
「辛くなったら相談して」
「協力できることがあったら言って」
などの寄り添ってくれる言葉こそが、その頑張りを正当に評価し、本当に応援してくれている、やさしい言葉だと思う。

 

そもそも、頑張れる人に対して頑張ってなんて、言う必要がないよね。
だって、言われなくたって勝手に頑張れるもの。
ほっとけって感じだよね。

 

でも、本当に自然と努力ができる育ちの良い人に限って、いじわるな「頑張って」に笑顔で「ありがとう」と返せるんだから皮肉だなと思う。

 

飲みにケーションなんて、クソくらえ

「はるらっしゅちゃんは気が利くね~」
泥酔の一歩手前まで歩みを進めた上席の言葉に「ありがとうございます」と笑いかけ、どうぞとお酌をする。
そしてこう思う。
「これ、私の歓迎会なんですけど。」

社内接待の不要さ

私が社会人になった2015年。
当時は今のような感染症もなかったし、私の会社はまだ体育会系の色が根強く残っていた時代だった。

私の入社した会社は当時、新入社員は暗黙のルールで社内で開催される飲み会への参加を強制されていた。
今ではこんな事をしたら一発で懲戒免職だけど、当時は飲み会の席で腰に手を回されるのは日常茶飯事だったし、私の場合、首筋を舐められてその場で蕁麻疹を発症し、皮膚科に通った経験もある。

新卒には飲み会時にそれぞれの役割があり、同期内で一番酒が強かった私は、飲み会終了後に泥酔した先輩たちを次々にタクシーへ詰め込む係だった。
タクシーをずらっと並ばせて詰め込むその光景はもはや、極道のそれである。

でも私は、それを武勇伝として語るつもりは毛頭ない。
そんな経験をしたからこそ思うのだ。
「社内接待ほど、無駄な物はない」と。

あれはもう、社内接待というより社内営業である。
そんなもので気に入られて出世するのに嫌悪感があるし、そんな飲み会人事な会社は、先が見えているので捨て置いて良いとすら思う。

今回の転勤で経営層の近くで仕事をするようになった。
そして分かったのだ。
今のお偉いさんたちもまた、そうやって偉くなっていったのだと。
だから、今偉くなった自分は接待されて当然だと思っているのだと。

そういう腐った連鎖はどうやったら断ち切れるのかと考えながら、私は「私の歓迎会」という名の社内接待に身を投じていたのであった。

飲みにケーションという日本企業の文化

そもそも酒を飲まなきゃ親しくなれない関係性とは、如何なものか。
転勤初日の上司との面談で「たくさん飲みに行けば皆と仲良くなれるよ!」と言われ、頭に浮かんだ疑問だ。

日本人は同調意識が強いせいか、なぜか社内の人間と仲良くすることに重きを置く。
でも、冷静に考えてみると、会社は仕事をしに来るところであって、私は友達を作りに来ているわけではない。

「趣味や副業があるので、あまり残業は出来ません。」
「有給は毎年全消化を目指しているので、3か月に一度、取得日をメールで打診させていただきます。」
「その分、定時内に最高のパフォーマンスで会社に貢献できるよう努めます。」
そう淡々と語る私に、目が点になる上司。
きっと私は典型的な外資の考え、そして上司は日本企業の考えなのだと思う。

 

今年から新社会人になった人や、来年から新社会人になる人に伝えたい。
きっとお盆明けから仕事やインターンの内容が重くなって、少しずつしんどくなると思う。
確かに飲みにケーションで培ったマナーや人脈はある。
それは確かだから、全てを否定するつもりはない。
でも、自分の時間を犠牲にしてまでやることではない。
少なくとも私は、ここまで8年間の社会人生活の中でそう結論付けた。

何が言いたいかというと、自分の時間を大切に。それだけ。

 

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